不動産ビジネスの歴史

第二次世界大戦後の焼け野原から再出発してからは、ほんの五○年程度しか経っていませんから、世界の先進国の不動産ビジネスの歴史から見れば、日本はまだ産声をあげたばかりといっても過言ではありません。戦後の復興ブームに乗って人口が東京一極に集中することによって、東京はまともな都市計画を練り上げる間もなく、日本を代表する超過密、乱開発都市になりました。これでは不動産ビジネスの先達が何を考え、どんな解決策をとったのかを学ぶことはできません。いまはグローバルスタンダードばかりが注目されていますが、それよりも世界の長い歴史を持つ国々の過去のビヘイビアを学ぶことの方が有意義なのではないでしょうか。例えば、徐々に定着しつつある定期借地権の功罪については、日本の歴史からは何の教訓も得られません。先の借地借家法の改正では、一般定期借地権の借地期間を五○年とすることでスタートしましたが、五○年後に借地権がどう扱われるのかを日本の歴史から学ぶことは不可能です。イギリスには、住宅問題だけでも実に二○○年間の近代化の歴史があります。そのなかには、一七世紀には二○年以下しか認められていなかった借地期間が、後に借地を地主に返還できない人達が急増して政治問題になり、貴族の私法制定という形で四一年から五一年に長期化され、一八世紀の六一年、八一年というさらなる延長に続いて、ついに一八八二年の承継財産設定地法によって、九九年という超長期の借地期間の延長が認知されたという非常に興味深い歴史があります。

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